特許

◆特許登録 登録第5957632号
◆特許権者 大阪フォーミング株式会社
◆発明の名称 ゆるみ止めナット
◆発明者 奥野芳昭
◆出願番号 特願2013−241351
◆出願日 平成25年11月5日
◆登録日 平成28年7月1日

ゆるみ止めナットにおけるフリクションリングの新たな構造は、独占的に実施(製造・販売など)をすることが許される法的権利を得ることができました。期間は、特許出願をした日から20年です。
アイデアに付与される独占権という点、新規性・進歩性などの要件を備えることが必要で、新たな構造のフリクションリングを装着したゆるみ止めナットとして登録されました。
 

要約

◆【課題】
ゆるみ止めナットを手作業によりボルトに容易にねじ込めるようにして、作業性の向上とねじ山の傷つき焼き付きを防ぎゆるみ止めを確実に行う。
◆【解決手段】
ナット本体1の上端面に環状カシメ部11が設けられ、そのカシメ部11の内部にねじ孔1aと同心で水平に平板状弾性ワッシャー2がカシメ固定される一方、弾性ワッシャー2の内周面に、半径方向内方で面一状に突出する2個の第1、第2凸状係合部片21,22と2個の第1、第2切欠凹部24,24とを交互に形成する。一方の第1凸状係合部片21は他方の第2凸状係合部片22よりも角度を大きく取り円弧幅を広く形成し、他方の第2凸状係合部片22は角度を小さくし円弧幅を狭く形成する。各凸状係合部片の内周面をねじ孔1aの内径とほぼ同径の円弧状に形成し、各切欠凹部の内面をねじ孔1aの谷径よりも大径の円弧状に形成した。
 

特許請求の範囲

【請求項1】
中心部に軸方向に貫通するねじ孔が形成されたナット本体の上端面に環状カシメ部が設けられ、そのカシメ部の内部にねじ孔と同心で水平に平板状弾性ワッシャーがカシメ固定される一方、弾性ワッシャーの内周面に、半径方向内方で面一状に突出する2個の第1凸状係合部片と第2凸状係合部片と2個の第1切欠凹部と第2切欠凹部とが交互に形成されるとともに、第1凸状係合部片と第2凸状係合部片のうち、一方の第1凸状係合部片は他方の第2凸状係合部片よりも角度を大きく取り、円弧幅の広い凸状係合部片に形成され、また他方の第2凸状係合部片は角度を小さくし、円弧幅の狭い凸状係合部片に形成されており、各凸状係合部片の内周面がねじ孔の内径とほぼ同径の円弧状に形成され、かつ、各切欠凹部の内面がねじ孔の谷径よりも大径の円弧状に形成され構成されていることを特徴とするゆるみ止めナット。
【請求項2】
第1切欠凹部と第2切欠凹部のうち、いずれか一方の切欠凹部は他方の切欠凹部よりも角度を大きく取り、他方の切欠凹部よりも円弧幅の広い切欠凹部に形成されており、これにより第2凸状係合部片に対する第1凸状係合部片の形成位置に変化を付けて、ねじ込み時のトルクを軽減または増加させることを特徴とする請求項1記載のゆるみ止めナット。
【請求項3】
平板状弾性ワッシャー2の厚みを、2個の凸状係合部片と2個の切欠凹部とが90°の等間隔でそれぞれ交互に形成された従来の弾性ワッシャーに比べて薄く形成して、求めるプリベリングトルク値を得るようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のゆるみ止めナット。
【請求項4】
第1凸状係合部片21が150°〜240°の円弧幅に、また他方の第2凸状係合部片22が60°〜90°の円弧幅に形成されているとともに、これら第1凸状係合部片と第2凸状係合部片の間に介在される第1、第2凹状切欠部がそれぞれ30°〜60°の円弧幅に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のゆるみ止めナット。